赤十字創設から150年間途絶えぬ想い。ソルフェリーノの戦いで、そして西南戦争で先人たちが強く心に持ち続けた「敵味方の区別なく傷ついた人々を救いたい」という想い。世界中で受け継がれてきたこの想いのもと、赤十字としてどのような医療を行うべきか、世界中に赤十字の活動を、人道の輪を広めるために我々ができること、しなければならないことは何か。そのことを皆で考え知識と技術を高めるために開催されるようになったのが、この日本赤十字社医学会総会であると思っております。そして、記念すべき50回目の学会を日赤発祥の地とされる「熊本」で当院が担当させていただくことになりましたことは、大変感慨深く、また同時に日赤発祥の地における開催に相応しい学会にしなければならないという責務も感じております。
日赤発祥の地「熊本」で、赤十字の「原点」を振り返ると共に、これから日本や世界が直面する諸問題について、赤十字が果たすべき役割とは何か、それを皆さんと考え未来へ発信したいと思います。そのような視点から、「原点を見つめ 世界へ飛翔〜赤十字の果たすべき使命〜」をテーマといたしました。参加される皆さんにこの学会で先人の想いに触れ、何かを学び得、感じ、各施設の今後の赤十字活動に活かしていただくことで、私たちが掲げた目標を達成できるものと考えます。
そして、50回の開催を記念し、日本赤十字社医学会理事長である富田博樹事業局長に「日本赤十字社医学会の50年を紐解く(仮題)」と題するご講演をお願いしております。また、特別講演では、元東日本大震災復興構想会議議長を務められた五百籏頭真先生に、「大震災の時代に生きる」というテーマでご講演いただきます。さらに、シンポジウムは2題企画いたしました。1題目は、「災害の時代に人々の命を守るには?〜赤十字はいかに協働すべきか〜」というテーマのもと、東北大学石井正教授にこれまでの経験を踏まえた基調講演を頂き、赤十字が進むべき方向性を再確認したいと考えております。また、もう1題は、本社矢野真事業局技監に「臨床指標を用いた医療の質改善への取り組み〜最良の医療を目指して〜」というテーマで基調講演をお願いしており、赤十字グループ全体で最良な医療の提供ができるよう目指したいと思います。
いつの時代にも通ずることではありますが、今後予想される様々な事象や時代の求める変化に対して柔軟に対応できる感性を保ち、世界的視野で物事を考えることは極めて大切な事です。この学会が皆さん方にとりまして、より良い情報交換の場、次のステップに向けた新たな活力産出の場となりますことを切に願います。
秋の熊本は、馬刺しに熊本ラーメン、天草の新鮮な海の幸、阿蘇の清水で育った山の幸と美味しいものづくしです。阿蘇の雄大な自然と数多くの温泉郷、天草の美しい海と海岸線など観光名所も多く、日本三大名城の一つ、熊本城は会場に隣接しております。是非、この機会に足をお運びください。
たくさんの方々に、日赤発祥の地「熊本」の活力を、見て、感じていただけますよう、当院職員一同心よりお待ちしておりますので、皆さんどうぞ、熊本へお越しください。 |